9. ストレッチの効果は主に7つ
ストレッチの主な効果は、次の7つに集約されます。
① 身体の柔軟性の維持と向上
② 関節可動域の改善と維持
③ ケガの予防
④ 筋肉疲労の回復
⑤ 身体の痛みをやわらげる
⑥ 心身をリラックスさせる
⑦ 筋委縮(筋肉がやせること)の抑制
筋肉は柔軟性を失うと損傷しやすくなります。スポーツにおいてだけでなく日常生活においても、ストレッチを行うことで、思わぬ転倒や疲労骨折、腱や靱帯の損傷といったケガのリスクを減らすことができます。筋肉のダルさや痛みは、筋肉が緊張して硬くなり、老廃物がたまっているサインです。筋肉を伸ばしてほぐすことにより、血行を改善して老廃物の排出を促すことができます。ストレッチによって自律神経のバランスを整えることができるので、メンタルにも有効。さらに、骨折などで筋肉を使わなくなって委縮してしまうようなときに、ストレッチで血行を改善することにより、筋肉の萎縮を抑えることができるのです。
10. 筋肉の起始と停止を遠ざけて伸ばすことが重要
筋肉は、その両端がひとつ、もしくは複数の関節をまたいで骨に付いています。その両端で、身体の中心に近い方を「起始」、遠い方を「停止」と表現し、身体の体幹になる筋肉では、よく動く方が「停止」、動きにくい方が「起始」となります。ストレッチの具体的な効果とは、この始まりと終わりを遠ざけて筋肉を伸ばすことなのです。正確にいえば、ストレッチで伸ばされているのは筋肉だけではなく、筋肉を何層にも取り囲んでいる結合組織の筋膜や腱、関節、皮膚、神経や血管なども同時に伸ばされています。筋肉を伸ばすことによって、様々な組織をケアしているのです。