今回は、前回少しお話したイメージトレーニング(ビジュアリゼーション)について触れていきます。
有名なスポーツの選手は、自分がどんなプレーをするのか、常に強くイメージしていると言われています。彼らは毎晩眠る前に、自分が優勝する場面を繰り返し映画のように視覚化したり、プレーの中でも、常に頭の中に自分が起こしたい、と思う結果や行動を、クリアに描いているのです。
人間の脳は、現実と想像の区別が付かない
人の脳は、今実際に起こっていることと、想像の中で起きていることの区別をつけることは出来ません。全て、「今起こっていること」として体は反応します。例えば、ドライブ中に誰かが「この先、ひどい渋滞になっているらしいよ」と言えば、多くの場合、言われた人の体は反応を起こし、血圧が上昇したり息が荒くなったりします。実際には渋滞に入っていませんし、その先に渋滞がないかもしれません。しかし、体はそのことがあたかも現実に起こったかのように反応します。その他、気が重い仕事や予定があると、その前日からなんとなく気分が上がらなかったり、胃の辺りが痛みを起こすのも同じ理由です。このことをアメリカのある博士は、以下のように著書しています。仲間うちで誰かをこっそりターゲットに決め、そのターゲットにひとりずつ、「ボブ、気分が悪いんじゃないの?」「ずいぶん顔色が悪いね」と徐々に話しかけていく。ボブは、やがて洗面所に入って鏡をのぞきこむ。ほどなく気分が悪くなり、体が弱ったような気になる。ついには本当に病気になって寝込んだり、家に帰ったりすることすらある。この様に、人間の神経系は【イマジネーション】での体験と【現実】との体験を区別することができないのである、と。要するに、私たちはイメージを上手に使う方法を身につけさえすればいい、と言う事である。ある意味、医者から砂糖を処方され、治ると思い込む事によって、病が消えてしまうのと類似していますね。
脳が現実と想像を区別できないと言うことは、この話でご理解いただけたと思います。次回は、非常に有名なプロゴルファーの話を踏まえ、イメージトレーニングと関連付けます。